グラスリッツェンとメグロー派 -Glasritzen Und Megroz-
Contents

メグロー派について
成り立ちと特徴(作風・道具)

<メグロー派のグラスリッツェン>

グラスリッツェンは、ダイアモンドポイントと総称されるガラス工芸のひとつです。ダイアモンドポイント工芸の歴史は非常に古く、およそ16世紀にさかのぼることができます。

戦後スイスでこの工芸技術が復活し、メグロー夫人が多くの作品を制作しました。彼女はまた自らの作品ばかりでなく、道具の開発やモチーフの制作を行い、技術がさらに発展する基礎を作りました。

メグロー派のグラスリッツェンの特徴は、その絵画的表現にあります。これにより、ダイアモンドポイント工芸は、それまでの単なる工芸から、より芸術性の高い作品の制作を可能にしました。

その芸術性から、スイス大統領を始めとして多くの人たちに愛され、またメグロー夫人の3つの小品がアメリカ・ニューヨークのコーニング・ガラス博物館に所蔵されています。

メグロー夫人を始めとして、メグロー派では非常に多くのモチーフ(下絵)を自ら制作して、それを使用しています。また多くの種類のダイアモンド針も開発されており、それらの道具を使うことで、美しい作品に仕上げることができるようになっています。

スイスのメグロー派では、一時、世界各地からの大勢の人たちが学び、その技術を広げていきました。メグロー夫人は、その隆盛の最中の1979年に急死されました。日本への啓蒙は大いに遅れ、私たちが1986年ころから、ほそぼそと始めたのが最初です。

Glasritzen(グラスリッツェン)というのはスイス語での造語で、メグロー夫人の仲間たちが自分たちの技法のために作り、使い始めたものです。したがって、どの辞書や文献(ドイツ語、英語、日本語)でも、ダイアモンドポイント彫刻(Gravure、Engraving)という言葉が使われています。

日本語で記した「メグロー」や「グラスリッツェン針」は、そのことにより、日本での商標登録が受理されています。

<メグロー派の道具・グラスリッツェン針>

グラスリッツェン針の例スイス・メグロー社の彫刻用の道具はスイス・メグロー派の技法に合わせて製作されています。

メグロー派の技法にのっとったやり方でお使いいただくことをお勧めしています。また、メグロー・ジャパンが提供している新しいグラスリッツェン針も、メグロー派の技術の進展とともに開発されてきたものです。

メグロー派のグラスリッツェン教室では、基本的な道具についての使い方はもちろん、道具や創作についての考え方も学習します。基本的な知識と経験をつみながら、どこでどういう針をどのように使うのか、という正しい選択と使用方法を身につけていきます。
私たちは、道具のご購入と同時に、メグロー派の教室で技術も学ばれることをお勧めしています。